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◇拍手お礼の「童話シリーズ」
〜その6〜
例えば、こんな童話。
「アシュレー君。北の疾風と南の熱風、どちらの方がより威力があると思う。」
「威力?人への影響ということでしょうか、クルセイト様。」
「そうだ。北風と太陽について、この論文では太陽が勝ちをおさめているが、本当にそうだろうか。」
「ここに記載の『上着』の形態に寄るのではないでしょうか。袖を通した着衣であれば、確かにこのような結果になる可能性が高いかと。外套であれば…どうでしょうか。」
「あぁ、ちょうどあそこに人が歩いているな。しかも外套を着ている。本当に冷たい疾風では難しいのだろうか。」
彼らの下を歩くのは、アメジストの瞳を持つ青年。
「クルセイト様、まずは周囲に結界を。」
ごうっと強い風が青年を襲い、慌ててラシャクは上着を握りしめ身をかがめた。
「うお、なんだ。寒ってか、むしろ痛!!」
いくら吹いても吹いても、しっかり握られた彼の上着を吹き飛ばすことはできない。
「うわ、飛ぶ飛ぶ!…って、いい加減にしろ!!」
どうやら外套を脱がす前に、本人ごと吹き飛びそうだ。
「クルセイト、アシュレー君。ちょっと君ら正座しなさい。」
「「あ。」」
「突発、人で遊ぶのやめてもらえるかな?」
「遊んでいたわけではないのだが。」
「君らの魔法がすごいのはよくわかったけど、やって良いことと悪いことがあるからね。」
「すみません、ロンハール卿。」
「すまない。つい。」
「"つい"で、死にかけているからね?あと、疾風の威力強すぎて、マントがボロボロだから弁償ね。」
『北風と太陽』極める探究心。人に迷惑をかけてはいけません。